冬の気温が年々高くなり、今年は夏を待たずして食中毒のニュースがテレビや新聞を騒がせています。
中でも「ノロウィルス」は感染力も強く、大きなリスクをもたらします。
本記事では、食中毒の種類と原因、ノロウィルスの感染経路、効果的な予防法をわかりやすく解説しています。
飲食店を経営されている方は日頃から気を付けていらっしゃると思いますが、今一度、確認の意味も含め
参考にしていただければと思います。
また、イベントにキッチンカーや移動販売を予定されている方も、暑い中での作業になる季節ですので
「食中毒」のことをよく理解し、対策をしていただければと思います。

【食中毒の原因と種類】

食中毒の原因は大きく分けると4つです。
「細菌性食中毒」
サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどが代表的で、生肉や魚介類、加熱が不十分な
食品に多く見られます。
特に気温と湿度が高い夏場に増加しやすい。
「ウィルス性食中毒」
主にノロウィルスやロタウィルスが原因で感染力が非常に強く、僅かな量でも発症します。
冬場に多く見られ、調理者の手指や調理器具を介した二次感染も多い。
「寄生虫による食中毒」
アニサキスはニュースなどでもよく耳にします。
サバ、アジ、タラ、イカなどの魚介類に寄生し、加熱や冷凍が不十分な状態で食べると
胃や腸に激しい痛みを起こします。
「化学物質による食中毒」
農薬や洗剤、金属などの有害物質が食品に混入する事で発生します。

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【ノロウィルスの特徴と感染経路】

職場や家庭内で集団感染を引き起こす原因となる「ノロウィルス」。
感染経路の多くは感染者の手指や調理器具を介して食品にウィルスが付着し、それを口にする
ことで経口感染します。
しかも、ほんのわずかな量で感染しますので、ほんのわずかな接触でも発症するリスクがあります。
また、感染者の嘔吐物、排泄物の間違った処理の仕方で感染してしまう恐れがあります。
主な症状は突然の嘔吐や激しい腹痛、下痢、微熱などがあり、通常は1~3日程度で回復しますが
高齢者や乳幼児など免疫力の低い人が感染すると、重症化することがあるので特に注意が必要です。

【ノロウィルスの予防法】

「手洗い」
石鹸と流水で、指先、指の間、爪の間、親指の周り、手首、手の甲など汚れが残りやすい場所も
丁寧に洗います。
「加熱」
二枚貝は中心部まで85℃~90℃で90秒以上加熱すると、ノロウィルスは感染力を失います。
「洗浄」
生鮮食品は流水で充分に洗浄し、ウィルスを落とします。
汚染された場所や物を消毒する事で二次感染を防ぎます。
ノロウィルスに対しては明確なエビデンスのあるアルコール消毒剤出ない限り
一般的なアルコール消毒はあまり効果がありません。
その為ノロウィルス対策には塩素系消毒剤が推奨されています。
また、85℃以上の熱湯も有効です。
「汚物処理」
感染者の嘔吐物や汚物を処理する際には速やかに、マスク・手袋を着用し、ペーパータオルで
静かに拭き取り消毒液で消毒します。
時間が経つと乾燥し、空気中に漂い口から感染しますので処理は迅速に行い、乾燥させない事
が重要です。
汚れたペーパータオルタオルや手袋はポリ袋に密閉して廃棄します。
処理後はウィルスが漂わないよう十分に換気します。

【食中毒の予防対策チェックリスト】

食中毒の原因であるノロウィルスをはじめとするウィルス性の食中毒は、目に見えないため
日常の衛生週間が最も重要になってきます。
チェックリストを参考に家庭や職場でも意識して対策してみてください。

①手洗いの徹底    調理や食事の前後には、石鹸と流水で20秒以上かけて洗う
②加熱調理の徹底   食材の中心温度を75℃以上1分以上加熱する
③調理器具の使い分け まな板や包丁は用途で使い分け、使用後は熱湯、次亜塩素酸で消毒する
④食品の保存温度   冷蔵は10℃以下、冷凍は-15℃以下を目安に、常温保存はしない
⑤体調不良時の対応  下痢・嘔吐・発熱などの症状がある人は調理に関わらないルールを設ける

食中毒は「ちょっとした油断」が引き金になります。
毎日の習慣として衛生管理を見直すことが最大の予防策です。

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ちょっと前までは夏場の暑い時期に発生しやすい食中毒でしたが、最近ではシーズンを問わず
いつでもどこでも食中毒は起こります。
基本的な手洗いや消毒、食品の管理をしっかりとして予防に繋げていきましょう。
パッケージプラザ高岡店・富山インター店では衛生管理用品も取り扱っています。
わからないことがありましたらお気軽にスタッフまでお問い合わせください(*^-^*)

こちらに掲載した記事は「㈱スパック」のホームページにも掲載しています。
「㈱スパック」のホームページでは食品を扱う現場で欠かせない衛生管理手法
「HACCP」についても説明しています。
興味のある方や、これから導入しようとお考えの方はぜひ参考にしてください。
https://spac-package.jp/spac_lab/508/

では、これからの季節「食中毒予防」をしっかりして暑い夏を乗り切りましょう!!